2006/01/27

北ベトナムに投資熱

中国情報局24日】(前略)珠江デルタに展開する日系企業の親会社では、日中間の政治問題台頭とともにSARS問題以降くすぶっていた一極集中のリスクに対して再度、問題提起が始まった。最前線である珠江デルタに展開する日系企業自身は、方針は不変として引き続き熱心に現地体制強化に動いている。しかしながら日本サイドは微妙に異なる。まずはヘッジ先として北ベトナムがターゲットとなっている。
 北ベトナムの状況であるが、昨今、物流インフラの整備が顕著である。広西チワン族自治区と雲南省から伸びるベトナム向け3本の主要道路のうち、現在はその真ん中を走るランソンルートの整備が急ピッチで進んでいる。中国側高速道路は2005年末に開通。ベトナム側はアジア開発銀の支援で既に国境まで舗装道路が通り、鉄道についても中国側およびベトナム側で相互乗り入れが可能な3軌道が既に敷設されている。現状では香港~ベトナム・ハイフォン、カイラン各港を小型~中型コンテナ船舶が結んでおり、海上輸送がメインとなっているが、陸路の開拓が進めば今後、広東省~北ベトナムへの陸送が台頭しよう。
 北ベトナムと中国を結ぶ物流のための幹線道路建設の話題は去年何度となく耳にしました。それとは別の話として日本企業がいよいよベトナム投資に本腰を入れてきていることが分かるようなニュースも最近よく聞くようになってきました。一昔前のベトナム投資ブームと違って、昨今のベトナムに対する評価の見直しはチャイナリスクに絡んでのものです。理由はどうあれ日本が本格的にベトナムに参戦する意思が伝わり始めたのは嬉しい限りです。ただし、慎重な日本がそう思い始めたということは諸外国も同じ考えなわけで、近隣国では台湾はかなり昔から積極的な投資をしていますし、韓国の勢いにも目を見張るものがあります。ハノイのある地域の都市開発を丸ごと韓国のコンソーシアムが受注したのはつい最近のことです。どこの国の資本であれベトナムが発展するのは歓迎しますが、日本以外の国が大型案件を受注する度に正直残念に思います。

 気になるのは加工貿易形態と生産コストである。まず中国とベトナム間の加工貿易は保税加工が主流で、珠江デルタから保税で部品を供給し、加工後の製品は全量輸出である。ベトナムでは工業団地自体が保税加工の指定を受けている、いわば輸出加工区がまず存在する。他に中国で言う一般的開発区が存在する。ここでは企業が個別に保税加工企業として申請を行う。保税加工企業間での保税のままの貨物トランスファーは可能だ。
 労働コストは中国の約半分。しかしながら工場の設立コストや賃貸コストは中国より高く、特に地価は地域により急速な上昇が見られる。光熱費はほぼ同額で停電は現状中国より少ない。日系の工業団地はほぼ満杯状態で、既にローカル工業団地への進出が主流化しつつある。
 部品調達では2006年1月から共通特恵関税(CEPT)が完全適用となったASEANのFTA(自由貿易協定)を活用し、タイから部品調達を行うことも可能だ。また欧米の対中セーフガードの回避にもなるため、調達や輸出の観点からのヘッジにもつながるのである。
 時代は既に、コストセンターとしての製造拠点の設置や中国市場に対する販売拠点展開という中国ビジネスのみの時代から、中国を活用したアジア向けクロスボーダービジネスの時代へと進化しつつある。ACFTA(アセアン・中国FTA)の実現も秒読みに入る。日本はここ数年、欧米に続く第三の市場・中国を目指してきたが、これからの時代は第四・第五の市場となるASEANとインドを目指し、大量に設立された中国の工場群をいかに活用し、これら新市場を目指すかが課題となろう。
 21世紀は中国・ASEAN・インドの時代――日系企業が本当の強みを発揮できる時代となるのである。政治問題など不透明要因はあるものの、中国企業や韓国企業がいち早く目指しているこの動きを冷静に見極め、舵取りを目指していく必要があろう。中国からのアジア展開が目の前に迫りつつある。

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