2004/12/16

一貫性のないマスコミ

 周知の通り今回のタイガーカップではベトナムは残念ながら決勝トーナメントに進むことができませんでした。開催国ということもあり最低でも決勝進出はノルマであっただけに、ブラジル人監督のTAVARES氏の更迭はほぼ間違いないと言ってよいと思います。
 負けた監督が批判されるのはよくあることです。ただ、本日のトイチェーを見ると、ベトナム人の品格と知性のなさが良く分かります。直接的な表現ではありませんが、いわく、TAVARES氏は夜の営みがうまくいっていないことが原因で、怒りやすく能力を発揮できなかったということです。スポーツ新聞やタブロイド紙ならまだしも、一般紙が書く内容ではありません。全く根拠がないだけでなく、ただ自分の国の代表の無能さを棚に上げてスケープゴートにしているだけです。監督の資質ももちろん重要な要素だとは思いますけど、結局のところ最後は選手の能力で決まるのは当たり前のことです。どんな優秀な監督を招聘しても実際にプレーするのがベトナム人であるかぎり良い試合など望めないということをベトナムの国民も分かっていないみたいです。

 同じ紙面には以前の監督であったCALISTO氏を懐かしむ記事も掲載されていました。以前、同氏は代表試合直前に招聘されたにも関わらず、まずまずの結果を残したという実績があります。また報酬はTAVARES氏の数分の一とも言われています。CALISTO氏はベトナムの生活が気に入り報酬を度外視してでもベトナムで働きたいという意向から、現在は一部リーグ所属のロンアン省のDong Tamを率いています。Dong Tamはもともと弱小チームでしたが、建築資材を生産販売する親会社の成功(創業者は議員にもなっています)でチーム運営資金も潤い、今は選手補強とCALISTO氏の手腕で優勝争いも常連の強豪チームの一つとなっています。
 チームの躍進にはもちろん彼の指導、育成方法のよさもあるのでしょうが、代表を率いた時の成功の要因は、自由な選手の招集にあったというのは公然の秘密です。それがなぜ秘密になるのかというと、ベトナムでは連盟の意向、つまり共産党のおめがねに適う人間しか代表になれないという不文律があるからです。彼が見つけてきた当時まだ無名のThai Emなどは今でも代表で活躍しています。ベトナム以外でも代表選手の選抜に口を出すサッカー協会などがあるかもしれません。しかし、明らかに技術的に見劣りする有力者の息子などが代表に選出されていたら国民は黙っていないでしょう。でも、ベトナムの場合は少なくとも公にはだれも文句を言いません。というより言えません。
 今回の記事はCALISTO氏を切ってTAVARES氏を監督に招いた連盟への責任追求を回避するためにTAVARES氏を生贄としたプロパガンダにも見えます。CALISTO氏を解任したのはもちろん連盟の思い通りにならない厄介な人間だからということは明らかなのに、ここへきてまた同氏を懐かしむ内容の記事を掲載するとは、新聞(つまり政府)の品格が疑われます。また、各紙がこぞって選手ではなく監督批判のみを大合唱するのは、国民のガス抜きの対策を検討した結果の、政府の指令なのかもしれません。
 今日はベトナムの最終戦である対ラオス戦でした。私は仕事で見れなかったので、偶然会った人に途中経過を訊いてみると次のように答えてくれました。
��(ゴールが)100本でも(決勝トーナメントに)入らない。ベトナムの代表は一番嫌いだ」
 その言葉を聞いてちょっと悲しくなりました。ベトナムが予選敗退を決めた時からもう試合を見ないという人も多いです。サッカーの事なんか何も知らないくせに便乗騒ぎをする日本人なんかとベトナム人は違うんだとこれまでは信じて疑いませんでした。ベトナム人は本当にサッカーを愛していると思っていただけにとても残念です。結局はベトナムも日本と何ら変わりないということでした。多くのベトナム人は代表が「勝つ」のを見ているのであって、サッカーを見ているわけではないのです。
 サッカーなんて勝つ時もあれば負ける時もあるでしょう。日本がイングランドと引き分けちゃったりするご時世ですから、ベトナムがインドネシアに負けたって、シンガポールと引き分けたって何も驚くことはありません。
 今回はタイの予選敗退もほぼ決まりました。たしかに今回のタイ代表はエース格が不参加でややレベルの落ちるメンバーでした。今後は以前予想した通りインドネシアとシンガポールの争いになるのではないかと思います。個人的にはシンガポールが優勢と見ています。

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