司会者はベトナムではまだ有名とは言いがたい役者を起用し、外国人である私が見ても、その進行や話し方にぎこちなさを覚える。また、時折関口宏張りの馴れ馴れしさも垣間見え、もしかしたら日本のVTRを見て参考にしているのかも知れないと思わせることもある。特にテーブルに肘をつくところとか…。日本ではそんな司会の態度が批判されたこともあったようだが、ただ単にこのセットで番組をすると自然にああなるのかもしれない。私はこのセットで番組の司会をしたことが無いのでよく分からない。
日本で見ていた頃は私もまだ子どもだったが、それでも今でもよく覚えている。私はてっきり日本の番組だと思い込んでいたのだが、ベトナムでもう一度見ることになり、実はこの番組が日本のものではなくイギリス発のものだと初めて知った。初めての放送は40数年前にもなり、その後各国で提供され、アメリカではいまでも20数年の長寿番組になっているのだそうだ。それが長い年月をかけてようやくベトナムにやってきたのだ。確かにベトナムの番組は海外のリメイクが多いかもしれない。パクリが多いと言ったほうが適切か。
このChung Suc、素人参加番組の素人っぽさがよく出ていて、それはそれでいいのだけれど、出演前に指示があるのか、その振る舞いにかなりわざとらしさが目立つのが気になるところだ。しかし、人気が増すとともに人々の関心も高まり、他メディアへの露出も増えている。放送翌週の朝刊に面白い記事を見つけた。全国紙の一般紙で若者や学生に人気の「TuoiTre(若者)新聞」の文化芸能面での投稿記事に、写真入りでかなり大きく取り上げられていた。先々週の放送に出演した教員グループの中の一人が、自己紹介の際に「夫なし、子ども二人」と言ったのが、どうやらこの視聴者には気に喰わなかったようだ。ベトナムでは、まだ公の場で女性が言うべきことではない、と思っているのだろうか。ベトナムは社会主義なのに、女性に対して閉鎖的なところが多々あり、女性が感じる不平等感は大きいようである。
また、ベトナムのメディアは、芸能や文化など国民の生活に関することにまで、ことこまかく口を出し、しかもそれが当然だと思っているふしがある。ワイドショーや新聞でもタブロイド紙ならまだしも、全国紙や共産党の機関紙までもが歌手の服装の露出度やその振る舞いにまで注文をつけてくる。まぁ、全てのメディアが共産党の監視下にあり、その内容が検閲されていることを考えれば、現在のベトナムのメディアは、全て共産党の広報とも言えるので、そんな主張やコラムを読めば共産党が国民の生活をどのように統制したいのかがよく分かる。
前出の投稿記事も全体のどの程度の割合の意見なのか。そもそも、本当に投稿されたのかどうかも調べようの無いことだ。
ただ、ベトナムとその他の国の文化の捉え方の違いなので、倫理観、価値観に関しては外国人が口出しすることではないとも強く思う。あほな欧米人が自分達が常に正しいと信じて疑わず、文化を押し付けることの方が問題だろう。
風紀の問題といえば、かなり前に有名な歌手が自宅でパーティーを開いた際に警察に踏み込まれて逮捕されたことがあった。麻薬などの問題ではなく、どうも「風紀を乱す」というような理由だったと記憶している。自宅なのに…。
しかも、数年もの間服役していた。南ベトナム出身で成功した彼は、嫌われていたのかもしれない。その辺りは、やっぱりベトナムは怖いと思うところだ。
某視聴率調査会社によると2004年1月末のクイズ番組の視聴率順位は上から順に、1.Chung suc 22%, 2.Rong vang 17.7%, 3.Not nhac vui 16.2%, 4.Chiec non ky dieu 9.2%, 5.Duong len dinh Olympia 5,1%となっている。
※Rong vang:クイズミリオネア(筆者注):みのもんたの「溜め」もなく淡々と進行する。回答者が答えると司会者がすぐに正解を言ってしまうので、日本人にはちょっと拍子抜け。逆にシュールな視点で見ると結構笑えるかも。
※Not nhac vui:ドレミファどん(同):ベトナムの歌をよく知らないとぜんぜん面白くない。当たり前。
※Chiec non ky dieu:クロスワードもどき(同)
※Duong len dinh Olympia:主に学生参加型で学校の問題が多い(同):学校の問題に絡めた出題が多いけど、問題がよく練られてなくて納得のいかない答えも多い。そもそも、問題文が曖昧でクイズになってない。製作者の独り善がり。
��写真)HTV7 「Chung Suc」と司会のTan Minh Tam
��この記事は2004年3月16日、17日に書いたものに加筆・修正しました。内容は当時のものです。)
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