特に田舎の貧しい女性などは、見知らぬ外国人に連れられて海外に脱出することを夢に見ているという話をよく耳にする。知り合いにもそのような境遇の方がいた。一人は会って数日で結婚手続きを始めていたし、写真のみで一度も会わずに結婚を決めたという話まである。別の女性が結婚手続き完了後も通訳を介して中米出身の夫と話をしていた光景を自分の目で見たことまである。
要するに母国で結婚できない男性が、金にものを言わせて貧しい国へ嫁探しにきている一方、女性側はといえばもちろん金目当てであるので、結婚後は定期的に本国の家族に金を送り続ける、といったギブアンドテイクの構図が成り立っている。また結婚に際しても結納と称して相当の金を渡すこともあるそうだ。結納金とはいうものの、その実態は手付金、あるいは手数料といった方が的を射ているかもしれない。ある者は夫の資産を搾り取り、ある者は自らも働きに出て、できる限りの金を国に送ることこそが本来の目的であり、任務であるのだ。用済みになれば離婚して帰ってくる者もあるし、外国籍取得とともに離婚して別の男性を探す逞しい人たちもいると聞く。
障害者を差別する意図は毛頭ないが、そんな外国人の中には、容姿が良くない、適齢期を越えている、貧しい(自国では)、などという理由ともに障害をもっているために結婚できないという人も多いようである。いくら相手が若いからといっても、わざわざベトナムくんだりまで来て言葉も通じない相手と結婚するのだから、そんな境遇の者が多いのは当然であろう。
そんな理由で結婚するわけだから、そろそろ逝きそうな資産家の男性に人気があるのも頷ける。夜のお相手も最小限ですみそうだし。ベトナムにいると、相手が自分の両親よりも年上というカップルに出会う確立が多いのも、そのような精神構造の女性が多いためだろう。
少々奇異に感じられる伴侶の選び方であっても、双方の合意の下で行われているのであれば何も問題はない。さらに仲介者は、金額は違うだろうが双方から手数料を徴収するという、いわば結婚相談ビジネスをしているわけだ。自身が海外への渡航に成功したあかつきには、今度は自分が紹介する側となって稼ぎ始める女性もいるという。
恐らく前出の5,400ドルはそんなものの一部なのだろう。だから私は記事を読みながら、今の台湾での相場はそんなもんなんだと考えたわけなのである。偶然にも同日の新聞記事に、日本への入国のための蛇頭への手数料が1人350万円と言う記述があったので、果たして台湾でのその相場は高いのだろうか、安いのだろうか。
全ては金のために相手を選んでしまうほど、ベトナムはまだまだ貧しい国だと思うと少々不憫にも感じるが、日本を含めた先進国であっても同様の考え方を持つ女性はたくさんいるので、あまり同情する必要もないのではないだろうか。
たまにベトナムの新聞記事でこの問題が報じらることがあるが、大抵はひどい台湾の男に引っかかったという話である。期待していたより貧乏で、さらには田舎の農民だったので朝から晩までこき使われ、その挙句に夜は家族数人の相手をさせられて、結局警察に逃げ込んで明るみに出た、とか。しかしまぁ、その間にはしっかり本国への送金は続けていたわけだろうから自業自得だろう。
結婚相手は中国系が多いと聞くが、地方に住むベトナム人にはまだまだ世界を知らない田舎者が多いから、やはりなんと言ってもアメリカが世界の頂点であるわけなのだ。そんなわけで、海外逃亡や難民でアメリカへ渡ったとしても、結婚相手としては今もなおアメリカの越僑が一番人気なのだ。大半の越僑が日本での不法就労外国人以下の給料しかもらっていないという現実を突きつけられても(多分ベトナム人はそんなこと知らないと思うけど)、そんなことは知ったこっちゃないのである。
越僑は国籍は違えど人種は同じベトナム人なので、少しでも小銭を持っている男を探したい女の気持ちもわからないでもない。でもなぜか、その次につづくのが台湾人なのだ。台湾人に続く国をあまり聞かないのはどうしたことだろう。その理由はよく分からない。チョロンの人脈と何か関係があるのだろうか。
写真左 アメリカ領事館 VISA申請と受領を待つ人々。
写真右 アメリカ領事館の塀。そこそこの数の警備員によって守られている。広めの歩道も警備上の都合からか、付き添いの人々が留まったりバイクを停車することを禁止しているようだ。おかげで、道を挟んだ向かいの歩道はバイクや人で溢れている。向かい側はきっと迷惑しているのだろう。
日本も昔はそうであったように、また現代でも時折行われているように、ベトナムの結婚にはまだ家族の戦略が大いに反映されているようだ。そこには相手側へ経済的な期待が込められているような感じも当然ある。また、結婚相手は両親や親戚が決めるというような、日本の田舎でもすっかり忘れ去られてしまった因習もこの国では健在なため、嫁ぐ娘もそれほど抵抗なく受け入れられてしまうのかもしれない。家族単位でさえ経済的な自立ができない現状では、このような状況は当分続くのだろう。
○元記事は以下の通り
【サンノゼ(米カリフォルニア州)13日AP=共同】米インターネット競売最大手イーベイのサイト上で、3人のベトナム人少女が台湾向けに競売に掛けられていたことが分かり、イーベイは13日までにこのオークションを停止し、売り手に関する情報を台湾当局に提出した。
オークションは今月2日、イーベイの台湾のサイトに登場。「ベトナムからのアイテム。送り先は台湾のみ」などと紹介し、少女の写真も載せていた。最初の競り値は5400ドル(約60万円)だったという。
オーストラリアと米国在住のベトナム人活動家がこれに気づき、連絡を受けた女性人権運動家らがイーベイに通報した。
イーベイのスポークスマンは、人身売買を厳しく禁じていると説明したが、売り手の詳細については明らかにしていない。
��この記事は2004年3月21日、22日、23日に書いたものに加筆・修正しました。内容は当時のものです。)
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