2005/07/29

ドン安元高

【NNA25日】中国人民銀行(中央銀行)が21日夜に発表した、人民元切り上げによるベトナムへの影響は少なく、貿易収支改善や日系企業のベトナム進出加速が期待されるなどむしろ明るい材料となりそうだ。22日付トイバオキンテー電子版が報じたベトナム国家銀行(中央銀行)の銀行戦略部レ・スアン・ギア部長のインタビューによれば、切り上げによるベトナムの金融や財政への影響はほとんどないという。外貨準備高で人民元の割合は低く、企業や銀行の決済が人民元建てで行われるケースは非常に少ない。
 人民元切り上げは貿易収支を好転させる材料となる。中越貿易は中国へ1次産品を輸出し工業製品を輸入する入超状態。2003年の統計では中国は最大の輸入相手国で、ベトナムの輸出が17億米ドル、輸入が31億米ドルで、貿易赤字は14億米ドルだった。さらに統計に反映されない密輸入も多い。
 ベトナムドンは通貨バスケットに移行する前の中国と同様のドルとの固定相場ですので、元が切り上げられれば対元では必然的にドン安になります。今後の元の切り上げ傾向と最近ますます企業が意識するようになったチャイナリスクの追い風もあって、特に日本企業はベトナムに生産拠点を移してくるはずです。近いうちには中国も変動相場に移行するでしょうから、安い労働力としての魅力はだんだんとなくなってきます。ただ、消費先としては中国が世界最大であることには変わりありませんので、どの程度ベトナムに持ってくるのかは悩ましいところですね。
 ベトナムの人口も世界で上位に位置してますけど中国には適いません。先日テレビを見ていたらベトナムの出生率は世界一位だとか言ってましたけど本当なんでしょうか。今年で戦後30年。戦後生まれの団塊の世代による第二次ベビーブームといったところです。人口抑制のために二人っ子政策とか必死にやってますけど、親の数が多いのでどうにもなりません。国土が狭く人口が密集しているのでもう少し生活水準が上がれば消費地としてもかなり有望です。

■中国プラスワン
 なお、中国企業の対越直接投資(FDI)額は、今年6月までの実行ベースでは1億8,000万米ドルと18位、総額の1%にも満たず、中国企業のベトナム投資は大きくない。むしろ日系など外資企業が中国一極集中リスクを避けるため、中国以外のアジア諸国にも生産拠点を設ける「中国プラスワン」の候補地として、ベトナムがますます注目されそうだ。為替リスクなどに加え、反日デモなどの影響で、北部ではハノイ市のタンロン工業団地や、ハイフォン市の野村ハイフォン工業団地などで中国に次ぐ生産拠点を設けようとする動きが最近目立つ。
 南部でも縫製メーカーに対し、5月頃から日本の輸入業者からの問い合わせが増えている。縫製品など軽工業分野ではベトナムのコスト競争力が高いと評価されているようだ。 ただ、切り上げ幅は当初5%程度とみられたが実際には2%と小さかった。中国製品に押された格好で1~6月の縫製品(繊維アパレル製品)輸出は、前年同期比 0.1%増と伸び悩んでいる。原因は繊維原料の大半を輸入に頼らざるを得ないこと、および南部を中心とした労働力不足がコスト高を引き起こしているためだ。今回の切り上げ後、原油に次ぐ外貨の稼ぎ頭、縫製品輸出がどこまで伸ばせるか注目される。
■外貨準備高、日本に次ぎ2位
 人民元の対米ドル相場は1米ドル8.28人民元から2.1%切り上げ、1米ドル8.11人民元が基準となった。人民元レートを巡っては、日米などから「不当に低い水準に設定されており、貿易摩擦拡大の原因」などと切上げを求める声が強まっていた。今年6月末時点の中国の外貨準備高は7,110億米ドルに上っており、日本に次ぐ世界第2の外貨保有国となっていた。
丸紅経済研究所/人民元・中国経済の展望 と 日本経済への影響

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