海外からの郵便物は手紙などの軽量のものを除き、税関まで引き取りに行かなければならない。郵便物が届くとその旨が記載された通知が届くので、その紙切れとともに身分証明書を持って本人が受け取り手続きのために出向くことになる。しかし手紙などは家まで届けてくれるといっても、中にカードがあったりすると端が破られていて中身を確認された痕跡があることもある。数年前までは海外向けや海外からのものは、全てのものについてその内容まで検閲されていたと言われているが、外国人の往来が急激に増えた昨今では、たぶんその数は激減したことだろう。ただ、この国にはプライバシーの概念などないし、当局に目をつけられれば監視されたりもする。お手伝いさんが実はスパイだったなどという日本人は伝え聞いたことしかないようなことも平然と行われているのである。
実は読みたい本があり、日本からそれを送ってもらったのだった。実際はわざわざ空輸するほどのものでもない雑誌などなのであるが、折角の機会だと思ってそのついでに必要なものも合わせて頼んでおくことにした。荷物を家に持ち帰り開けてみると、頼んだものの他にも日本食やらなにやらいろいろなものが詰め合わせになっていた。家族のやさしさを感じた瞬間であった。
日本でも輸入品は検査の対象になる。しかし、まさかすべてのものを開封してはいないだろう。X線検査後に抜き打ちでいくつかは開けられることもあるかもしれない。ベトナムの税関はそんな甘いものではなく、ほぼ全てのものが開封され内容が書類に記載される。前に古本を買って大量に船便で送った時も、ご丁寧にも総ページ数別、分野別に詳細に冊数が調べられていたのには驚いた。しかも、こちらではかなり恣意的だと思える曖昧な判断基準で税金を徴収されるのが厄介だ。毎回の郵便物の概算価値と中身を比べてみても、どうもその算定方法がわかりかねるのである。だって、適当だから。
以前は荷物が届くと郵便税関に出向きその場で係員の立会いの下、開封しながら品物を一つ一つ手にとりその説明と書類作成を行ったため、待ち時間を合わせるとかなりの大仕事だったのであるが、今は内容確認と書類作成を前以って済ましてくれるようになったので、それだけでもかなりの改善が見られるといってもよいと思う。ただ、いずれにしても海外からの郵便物を受け取るというのはちょっと手間のかかることには変わりない。
数年前の夏、サイゴン滞在中に通知が届いた。友人からのもので、封筒の中にはおにぎりのキーホルダーが一つだけ。誕生日プレゼントだった。当時はまだ今ほど規則が甘くはなかったので、それを税関職員とともにに開封し中身を確認した。係員のオヤジはそれを一瞥すると書類作成係のお姉ちゃんに指示をした。建物を後にしながら受け取った受領書を確認すると、そこにはこう書かれていた。
「物品:おもちゃ 価値:1万ドン 税額:0」
ベトナム人に分からないようなものを冗談で送ったりすると結構もめたりするのかもしれない。
今晩は届いた郵便物から取り出した「おとなのふりかけ」を、日本を思いながらベトナムの米にそっとふりかけてみた。
��この記事は2004年3月25日に書いたものに加筆・修正しました。内容は当時のものです。)
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