始まるまで全く試合のことを知らなかった。近所が騒いでいるので、なんとなくサッカーの試合ではないかと思いテレビをつけてみると、案の定思ったとおりだった。今住んでいる借家の正面の道を隔てたところにそこそこ大きなレストランがあり、サッカーの試合がある日は人が集まり、はっきり言ってうるさい。誕生会や何かの宴会のカラオケもかなりの騒音公害だと思うが、サッカーへの声援は近所中から地鳴りのようなうめき声が聞こえて気持ち悪い。
経済発展とともにスポーツへの関心も高まり、東南アジア地域でもベトナムはかなり頑張っているように見える。2年に1度ASEAN加盟国で開催されるSEAGAMEという地域スポーツ大会も、昨年12月にベトナムで開催された。それはまたベトナム念願の初開催でもあった。ミニオリンピックのようなものとはいえ日本人には馴染みのない(多分ベトナム人にも)種目が並ぶ中で、なんと言ってもサッカーが断トツの人気を誇る。他の参加国のことは知らないが、ベトナムではSEAGAMEはサッカーのためにあるといっても過言ではない。
��Dong Khoi通り)
この地域では昔から常にタイが先頭に立って、それは今も変わらないが、貧弱ベトナムもここ数年急速に力をつけ、去年の男子サッカーの決勝ではタイを脅かし続け、あと一歩のところで準優勝に終わった。東南アジアから一歩出てしまえば全く歯が立たない実力のままでも、域内ではそこそこ戦えるようになってきた。
しかし、怪しいのはSEAGAMEでの総獲得メダル数、金メダル数である。ともに、これまでは首位はタイの定位置であったにもかかわらず、ベトナム開催で突然ベトナムがトップに踊り出た。でも、誰もそんな疑問は口にしない。というよりあまり興味がない。ベトナム人に訊いてもほとんどの人にそんなこと知らないと言われる始末であった。
��左)Nam Ky Khoi Nghia通り(右)Le Loi通り
写真は、SEAGAMEベトナム大会の準決勝マレーシア戦に勝利した時のもの(03/12/09撮影)である。、数年前からサッカーの試合で勝利すると各地からバイクの群れが町の中心部に湧いてきて、お約束の暴走が始まる。最近はバイクばかりでなく、デモのような「徒歩」の方々まで見受けられるようになった。普段は政府に批判的な人でも、誰も彼もがみな国旗を振って、「無敵のベトナム」と叫びながら、中には朝まで走り続けるつわものまでいる。はっきり言って邪魔だ。
歩道を走る者や逆走する者などは取り締まられるが、この時だけは中心部全体を一方通行にして警察も暴走に協力している。レロイ通りは歩行者天国になってしまって、バイクのない人たちが群れをなして歩いているのを見かけた。イデオロギー教育のためと思えばそんな手間も安いものということか。
ちなみに私もその日、ベトナム勝利後にバイクで出かけてみると、普段10分で帰って来れる距離を戻るのに1時間半もかかり、とってもとっても出かけたことを後悔した。テト期間の旅行同様、サッカーチーム勝利後の夜の外出は充分注意した方がいい。代表チームが勝ちそうなときは外食も控えて、出来ることなら試合終了前に家に着いておきたい。雪崩のようなバイクの波に信号など目に入らず、中心部では道を渡ることが出来なくなるからである。
余談ではあるが、ベトナム女子サッカーチームは、この地域ではまさに「無敵」である。先日のSEAGAMEでも順当に優勝を成し遂げた。
本日のモルディブ戦も現在3点のリード。今日の所は勝てそうだ。
��Le Loi通り)
【追記 2004/11/01】
一次予選一戦目のモルディブ戦はそのまま順当に勝利をおさめた。続くレバノン、韓国にはこれまた順当に敗戦。2回目のモルディブ戦は大番狂わせの敗戦。しかし、同情の余地はある。モルディブは選手を大幅に入れ替えてきたそうだ。帰化選手でも利用したのだろうか。モルディブは韓国に引き分けるほどだったので、ベトナムに勝てるわけがない。無論、モルディブなんかに引き分けた韓国では大騒ぎだったそうだが。レバノンとの一戦を残してベトナムはダントツのビリ。果たしてそんな試合にもベトナム人は熱狂するのだろうか。
��この記事は2004年2月18日に書いたものに加筆・修正しました。内容は当時のものです。)
0 件のコメント:
コメントを投稿