2004/10/26

ベトナム版スター誕生

 今晩8時からTieng Hat Truyen Hinhの決勝が行われています。この番組は日本で言えばスター誕生のようなものにあたり、アマチュア歌手がプロとしてデビューするための登竜門になっています。毎年この時期になると開催されていて、このテーマソングを耳にすると今年もそろそろ終わりかと思わせる、ある種の風物詩になっています(ベトナム人は新暦の正月に関心を示さないので、そう思っているのは私だけかもしれませんが)。その歴史は意外と古く今回で14回目を数えます。もちろん昔のコンテストのことは全く知りません。しかし、ベトナム人に話を聞くと、以前は共産党に好まれるような歌曲を選び、唱歌や軍歌を歌うときの歌い方をしなければ入賞はできなかったそうです。当然そのような物は若者には受け入れられず、番組の人気自体もまったくといっていいほどで、まるで国民の関心を集めていなかったようです。

 ベトナムのプロの歌手は、北ではまだ保守的で南は開放的あるいは大衆的な人が多いように感じます。国民的な人気歌手になるには、南で成功しないと難しいと言われる由縁です。ただ、私はJ-POPと呼ばれるような日本の歌にも全く興味がありませんし、売れる歌が良い歌であるとも思いませんので、南の歌手が北の歌手より優れているというわけではないと思います。しかし、拝金主義がはびこるベトナムではそうなる日も近いかもしれません。商業的には、やっぱり売れる歌がいい歌なのです。
 最近は規制がゆるくなったのか、大会参加者の選曲やパフォーマンスも大衆化しているようで、日本人がアメリカ人の物真似であるように、ベトナムでも海外の物を積極的に取り入れています。

 採点に際しては何処か政治的なものも感じ、数名は必ず"体制歌手"が入賞しているように思えますが、それはまぁ愛嬌でしょう。ただ、予選からの採点もなんだか納得のいかないものが多いです。それは個人的な意見ですのでなんともいえないわけですけれども、ベトナムではこのような大会においても、上位に食い込むためには実力以外にも別の努力が必要なのかもしれません。
 さて、本日の決勝大会は火曜日の夜です。日本だったら当然土日、百歩譲って花金(死語?)だろうと考えそうなものです。しかし、ここはベトナム。そんなことはお構いなしで火曜日なのです。HTV(ホーチミンテレビ)では、週に二回ほどある生中継の歌番組も、日曜日と月曜日の夜に放送されます。なぜ土日じゃないのかと尋ねても、ベトナム人は「なぜ?」と逆に私に質問を返してきます。どうも質問の意図がわかっていないようです。よく考えてみたところ、土日の夜は遊びに行く、というのは日本人の勝手な言い分だったみたいです。残業などほとんどせずに就業のベルが鳴れば我先にと家に直帰するベトナム人にしてみれば、夜は何曜日の夜であろうとも同じ"一つの夜"としての認識しかないみたいでした。
 大会の賞金も魅力の一つでしょうが、上位に入賞すれば今後ある程度の活躍の場所が保証されていますので、参加者は必死に歌っています。

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