2004/08/14

ベトナム戦争映画

 CATVでSTAR MOVIEという映画専門チャンネルを契約しています。題名はよく確認していなかったので覚えてないのですが、一週間ほど前からベトナム戦争を題材にした映画の予告が流れていました。なんとなく興味を持ったので時間を覚えておきました。それが今日の20時からの放送のはずでした。「はず」と書いたのは、実際には放送されなかったからです。その前の番組までは普通に放送されていましたが、お目当ての番組の放送開始直前に画面はカラーバーに切り替わりました。他のチャンネルは問題ないので、ケーブル会社が意図的に操作をしていることは疑いの余地がありません。

 ケーブルテレビ会社の自粛というより、ベトナムでは思想統制が行われているので、共産主義者の高官達が、ベトナムで教育されているものと違う歴史が含まれていることを恐れて、「指導」を行ったのかもしれません。この国ではまだベトナム戦争を自由に語る土壌はないのです。
 どんな経緯なのかは分かりませんが、数年前にアメリカの企業がやたら金をばら撒いて-著者の予想にすぎませんが-ベトナムでベトナム戦争のドキュメンタリーを作成してそれをベトナム国内で放送したことがありました。共産党幹部に賄賂を掴ませたのか、ベトナムに多額の援助を約束したのか、はたまた両国間で何らかの取引があってその引き換えとして、アメリカ側がベトナムでドキュメンタリーを放送する権利を獲得したのでしょうか。なぜ放映に至ったのか、ほんとのところは私なんかには知る由もありません。アメリカが作成した目的もよく分かりません。もともとは米国内向けのものだったんでしょうか。ただ、一つだけ言えることは、これまでベトナム正規軍とベトコンが圧倒的に米軍を打ち負かしたと教え込まれ、テレビドラマでも映画でもそのように脚色されていたものが、突然史実に沿ったドキュメンタリーが放映されたということです。
 共産主義者にとって誤算だったのは、そのドキュメンタリーに熱狂した市民が予想以上に多かったということです。国を二分して戦ったわけで、南部の人間は戦後から現在に至るまでかなりひどい扱いを受けていますから、1975年以前を懐かしむ人達は相当な数に上ります。多くは海外に流出しましたが、それでも心の中では現在の政府に敵対心を持つベトナム人はかなりいるということです。彼らはテレビ局に再放送、続編の放送を要望し続けました。しかしながら、そうなってしまえば結果は自ずから決まってしまいます。今の共産党が許すはずもなく、そのドキュメンタリーの話は封印されてしまいました。
 そう言えば時々チャンネルを回している時にカラーバーの画面を目にしますが、今日の一件があったことで、思わぬ真相がわかりました。ベトナムのカラーバーには、単なる放送事故の場合と政治的な判断による場合があるのです。
 私は外国人なのでベトナム政府の判断に特に意見をするつもりはありませんけど、出来ればカラーバーを置く変わりになぜ放送しないのかというコメントでも掲載してもらえると助かります。故障でないことが分かれば少しは安心しますので。ことの真相が分かった時は、ケーブル会社が何と回答するのか試しに電話してみようかと思いましたが、変なところから目をつけられると厄介なのでやめておきました。身近なところで秘密警察が活動する国ですから。

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