2004/05/11

出稼ぎ

 知り合いがUAE(アラブ首長国連邦)に出稼ぎに行くらしい。現在ホーチミン市内の五つ星ホテルに勤務する彼は、高倍率の選考に通って目出度く募集人員3名の中の一人に選ばれた。ホテルへの派遣で3年契約、貯金額の目標は年8千米ドルだそうだ。帰国後は3年間の貯金を元手にして、8年間続けている合気道の修行と日本語学習を兼ねて日本へ留学する予定と話してくれた。

 五つ星ホテルといえども一従業員に過ぎない立場では、海外の待遇とは比べ物にならない。他の東南アジア諸国に同じくベトナム人にとって中東などに出稼ぎに行く事はさほど珍しいことではない。最近は日本へも縫製工場などの工員として出かけるベトナム人も多いらしい。

 意外と知られていないが、ベトナム人の海外居住者(越僑)の比率は日本のそれと比較すると格段に多い。第二次世界大戦後は全国から、ベトナム戦争後は米軍とともに南部から、さらに80年代後半にはベトナム各地からボートピープルが世界中に流れ出た。
 アメリカ、カナダ、日本、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア…。戦時中に親戚を亡くしたベトナム人がいないのと同じくらい、海外に親戚がいないベトナム人を探すのは難しい(大げさ?)、というほど越僑の数は多い。
 出稼ぎには、上述の彼のように合法のものもあれば、当然非合法のものもある。あるベトナム人は、姉がオーストラリア在住のため、観光ビザで呼び寄せてもらったそうだが、実際は6ヶ月の滞在期間中、農家に住み込み果物の収穫作業に精を出したそうな。彼女は夫と一人娘をベトナムに置いて一人で出掛けて行ったのだが、半年で数千ドルを貯めて国に戻ってみると、家を守っているはずの夫は妻の収入を当て込んで働かずに連日ツケで飲みまくり、持ち帰った金の何割かは酒代の返済に消えたそうだ。
 次は夫がオーストラリアに行く番だそうだ。
 なぜかオーストラリアに行くベトナム人は中古の電気製品を買ってくる。彼女の場合はかなり薄汚れた日本製のオーブンレンジだった。最近は国内でも金さえ出せば外国製の電気製品などはどこでも手に入る。中国製の電気製品の品質もよくなっているし。
 オーストラリアには出稼ぎベトナム人向けの中古電化製品ルートでもあるのだろうか。

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