そんなことから、テレビでのプロパガンダも少し前からはじまり、この国の歴史解釈が戦争映像や英雄と呼ばれる人たちとともに連日流されている。この洗脳活動も記念日当日が近づくに連れどんどん盛り上がっていくものと思われる。
南部開放記念日も4月30日と同じような時期にあるためにこれからは両者ともにしてプロパガンダが始まるのかもしれない。でも、特別な記念日がない時期でも定期的に「ホーチミンの思想」なる番組が日夜放送されているので、ここの人にとってはそれほど珍しいことでもないのかもしれない。
メディアを政治的に利用することはどこでもよくあることで、政治的な意図を持たないメディアなどはありえないのだから、そのこと自体には驚きはないけれども、さすがに毎日同じような「いかにも」な映像をみるとうんざりもしてくる。
そういえば、少し前にアメリカがベトナムの人権について意見したのだが、その後ベトナムのメディアは、来る日も来る日もそれについての反論を展開していた。アメリカの主張は中国などに対するものと似たようなもので、その時も「ベトナムの人権政策を改善するための必要な援助の申し出」、というような内容だったと思う。共産党はそれに対して、「ベトナムの人権保護は充分だから余計な口出しするな」と、まぁいってみれば当たり前のことを言っていた。確かにベトナム人に人権があるとは思えないが、外国人が余計な口出しをすべき問題でもないだろう。そんなことは、将来この国の人たちで勝手に民主化運動とともにやればいいことだ。
アメリカがどんな意図でそんなことを言い出したのか詳細は分からないが、今年11月にはアメリカ大統領選挙もあり、ベトナム系の票でも期待してのことだろうか。その騒ぎはベトナム国内では大変なものだったけど、きっとアメリカ人は誰も知らないことだろう。
【NNA9日】ファン・バン・カイ首相は来月21日、ブッシュ米大統領と会談する。越首相の訪米および首脳会談の実現はベトナム戦争終結後初めてで、両国の関係強化の重要なステップとなる。これは訪越したゾーリック国務副長官が、ブッシュ大統領による訪米要請を越側に伝えたもの。6日ハノイで同副長官が明らかにした。
ベトナムと米国は1995年に国交を正常化した。2000年のクリントン前大統領訪越に始まり、03年の米艦隊のサイゴン入港、昨年12月の直行便就航など、関係の強化を図ってきた。米国はベトナムが懸案としている世界貿易機関(WTO)加盟にも支持を表明しており、双方は近くサービス、農業、および商品市場の開放などについて協議を行う予定だ。
米国務省はまた、ベトナム政府が宗教の自由に対する制限の緩和を約束したことを明らかにした。この問題で米国は昨年9月、ベトナムを「特に懸念のある国」の一つに指定し、人権問題での非難を強めていた。これを受けてカイ首相は今年2月、国民の宗教の自由を保障する指示を行っている。しかし、米国の国際宗教自由委員会は6日、「統一仏教会の指導者ら100人以上が依然投獄されたままで、1,000カ所以上の教会、礼拝所が閉鎖されている」と指摘し、この問題で引き続き越側に改善に向けた取り組みを求める姿勢を示した。6日付ベトナム国営通信(VNA)などが伝えた。
【追記 2005/05/16】
今年はご存知のように1975年4月30日の南部解放記念日から30周年に当たるため国威掲揚行事はそちらに力を注ぎすぎたこともあって、去年盛り上がってたディエンビエンフーの方はというと今年は完全に影が薄く忘れられたようだ。興味深いのはアメリカ政策の変化。去年のディエンビエンフー式典は対仏戦争、今年の南部解放式典は対米戦争のものである。にもかかわらず、昨年のディエンビエンフー前後では(式典内での演説の内容までは責任がもてないけど)、政府はアメリカに対して結構言いたいこと言ってたのに、今年は式典でもその前後でも米国批判はすっかり影を潜めてしまった。各メディアでも指摘されているように、今年度中に是が非でもWTO加盟を目指すベトナムにとってアメリカの機嫌をとるのは最重要課題。加えてアメリカからの投資を呼び込むために方針を変更したようだ。1年前に人権問題を指摘された時は猛烈に反発してたけど、先日同じことを言われたら「検討する」に変わってた。来月にはファンバンカイが戦後要人として初めてアメリカに行くし、やっぱり大切なのは金のようである。
��この記事は2004年3月12日に書いたものに加筆・修正しました。内容は当時のものです。)
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