2005/04/08

金貨を売ってみた

 もらった金貨が手元にあったので売りに行ってみた。何でわざわざベトナムに持って来たかというと、日本で売るのが恥ずかしかったからである。蓄財のために買ってる金貨ならまだいいものの、ペンダントトップとかのアクセサリーになってる物を売りに行くのは、いくら金がない私でもやっぱり恥ずかしいので躊躇してしまう。そんな感想を抱かせてくれる日本社会は不況とはいってもやっぱりまだまだ裕福なんだろうと思う。
 ベトナムで金はどこでも気軽に取引されていて、身につけている指輪を売って差額を払ってもっといいものに買い換えるなんてことは日常茶飯事なので、サイゴンなら手軽に売却出来るのではと思ったこともわざわざベトナムまで持ってきた理由の一つである。日本で売ったことがないので分からないけど、売却時に手数料とか取られちゃったりするんだろうか。ベトナムではそれはない。

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 というわけでレロイ通りにあるSJCに足を運んでみた。SJC(Saigon Jewelry Company)はベトナムの貴金属販売業としては最大規模の会社の一つである。サイゴンではPNJ(Phu Nhuan Jewelry)と双璧をなしていて市内のほとんどの大型店舗で目にすることができる。

 今回は3枚売却して、総額11,466,000ドン、日本円だと78,896円(1円=145.33ドン、5日ベトナム外商銀行現金買い価格)だった。まぁまぁ予想の範囲だった。3枚のうち1枚はカナダ王室造幣局発行のメイプルリーフ金貨だったので、それだけは別に計算されていた。残り2枚はたぶんアメリカのコインだと思うのだが、4大金貨のものではなかったので、金の含有量がよく分からないため、店の言いなりの額で売っちゃうことにした。別の店に行って値段を比べて少しでもよいところを探すのもいいけど、多くてもせいぜい数十万ドンのことだろうと思うし、そのために店をはしごするのはめんどくさい。

 ウィーン金貨ハーモニー(オーストリア政府造幣局発行)、カンガルー金貨(オーストラリア政府造幣局発行)、アメリカンイーグル金貨(アメリカ合衆国政府造幣局発行)、、そして今回私が持ってきたメイプルリーフ金貨(カナダ王室造幣局発行)は純金価格以外に保存状態によってプレミアムが加算される。購入時も当然プレミアム価格が加算されているので割高なのだから、売却するときもその分を取り返さないと損になるのだけれど、もらい物なんでそんなこと知ったこっちゃない。手持ちの金貨も購入後は袋に入れられたままの状態で傷もなく間違いなくプレミアムが加算されるに相応しい状態だったけど、SJCではそれは考慮してもらえず金価格のみの清算となった。この件に関してはよく分からない。ベトナムの金市場ではプレミアム価格は考慮されていないのか。

 実はベトナム人が純度99.99%の純金で蓄財する場合、その多くはSJCの刻印が入ったものを好んで購入する。そしてそのSJC金にはまさにプレミアムがついていて、純金価格の相場とは別の相場が存在している。ベトナムの金といえばSJC金を指し、おそらく世界の金貨は市場に流通していないので、プレミアムは取ってもらえないのかもしれない。日本から持ってくる時もそのことを少し心配していたのだけれど、それでも日本の宝石屋に売りに行く恥ずかしさよりはましかなと思う。

 売却日(2005年4月5日)の田中貴金属での1オンス金貨の売買価格は、税込買取(プレミアム有)が50,186円、地金再生買取価格(プレミアム無)が、45,938円であった。その差約4,000円。この差を大きいと見るか小さいと見るかは別にして、店頭販売価格である税込小売価格は、税込買取(プレミアム有)よりさらに4,000円ほど高く設定されていた。買い価格と売り価格にほとんど差がないベトナムを思えば、日本国内で金を売買して儲けを出すことがいかに難しいことかがよく分かる。

 では売却した金貨の価格の詳細を見てみることにする。その前にベトナムの金市場の単位について簡単に触れておく。ベトナムではChiという単位が売買の基本になる。1Chiは3.75g。新聞や宝石店に表示される価格もこのChiを基準にしている。ちなみに上位単位にCayというものもあるが、1Cayは10Chi、つまり37.5gである。国際金市場の単位はオンスで、1オンス31.1035gなので、1オンスは約8.29427(31.1035/3.75)Chiということになる。

①メイプルリーフ金貨1オンス
 店内に表示されていた4月5日のSJCの買い取り価格は1Chi=828,000だった。なので、本来なら6,867,652ドン(828,000*8.294267)が正しいわけだけど、なぜか6,806,000ドン(820,000*8.3)と評価された。メイプルリーフ金貨の方がSJCの金よりも純度高いし質もいいんじゃないかと思うけど、ここはベトナムなので仕方ない。量も8.3にされてるし。でも、たしか最初は815,000と言ってたはずだ。そのまま何も言わなかったに820,000に上がったのはなんでだろう。
 6,806,000ドンは、約46,831円(1円=145.33ドン、5日ベトナム外商銀行現金買い価格)なので、同日の田中貴金属での1オンス金貨の地金再生買取価格(プレミアム無)45,938円と比べても、まぁまぁ妥当な価格だろう。ちなみに5日のロンドン市場の終値は424.3米ドル/オンスだった。

��翌日の新聞を見ると5日の終値として、ホーチミン市でのSJC金の買い価格は820,000ドンに、売り価格は826,000に前日比4,000ドンほど値を下げていた。結果として820,000ドンで売ったのでまぁよかった。ホーチミン市とわざわざ書いたのは地域によって値段が変わるからである。)

②2つのペンダントトップと金貨
 2枚の金貨は周りのペンダントの枠も全て併せて8.63Chiだった。量ったらほんとは8.73Chiだったけど、石がついてたのでその分の0.1Chiを引いたんだそうだ。もちろん見た目で。その辺かなりいい加減だ。たぶんダイヤモンドだと思うけどどうせあんなちっちゃな石に値がつくことなんてありえないからそれは仕方ないとしよう。結局全て純度70%との評価。枠が24Kはありえないのでそれはいいとして、2枚の金貨と2つの枠が全て70%はないのではないか。少なくとも18K(75%)なんじゃないのかと思ったけど、重さが予想を上回っていたので、少し自分で計算してみてからそれで納得することにした。

 金貨は普通1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz、1/20ozというサイズになっている。メイプルリーフ金貨が1オンスだったので、それより小さいのは1/2オンスで、さらに小さいのは1/4オンスだろうと考えていた。金貨は種類によって大きさが違うという指摘もあろうかと思う。もちろん金貨のサイズは全て同じではなく直径が大きくて薄いものや直径が小さくて厚いものなど様々である。しかし、いろいろ見比べてみるとメープルリーフ金貨は他のものと比べて最も小さいサイズになっていて厚めになっている。しかも、ペンダントにするならわざわざ小さくて奥行きのあるものを選ぶのではなく、薄くても大きめのものを使うのが普通だろう。
 枠の分もあるけどこれはどうせ中はスカスカなのでたいした重さじゃないだろうから無視。しかも枠は18K以下であることは間違いない。

 仮に金貨が1/2オンスと1/4オンスの純金であったとすると、約5,150,000ドン(3/4*8.294267*828,000)。全て18Kだとすると約3,700,000ドン(3/4*8.294267*595,000(SJC75%))である。で、実際に店でどう計算されたかというと、4,660,000ドン(8.63Chi(1.040478oz)*540,000(SJC70%))であった。

 アメリカでは金貨はなぜか24Kではなく22K(91.67%)が好まれている。保存のために硬度を高くしているのである。それを考えると金貨部分は22Kだったのかもしれないという疑いも出てくる。でも、この2枚で1オンスを越えていたとは到底考えられない。2枚の金貨と枠が全て純度70%とというのもあり得ないことだと思ってはいたものの、店で計算機を借りて計算しながら考えた挙句、結局他の店に行くのが面倒なことと、騙されているとしても最大で50万ドン程度だろうと分かったのでそれで受け入れることにした。

 真相は分からない。SJCという看板を背負っているからどこへ行っても買い取り価格が同じだという考えはベトナムでは通用しない。それはそういう商習慣なわけだし、私自身それで納得して売ってるわけだから、まぁ騙されたという表現は正しくないかもしれない。もっと高く売れる可能性があったというのが適当か。いずれにしても1000万ドンで売れればいいやと思ってたし、売却後に円安は進んでいるものの金の国際価格は下落しているので、満足といえば満足だった。

 ただ、メイプルリーフ金貨の売却分は店の窓口で受け取ったのに、あとの2枚は検査をするからといって別室に連れて行かれた。そこで、金貨の一部を溶かして中を見たりしているような行動を取ったあとで、奴は自分の財布から4,660,000ドンを取り出して私に差し出した。金貨は2枚あるのに検査したのは1枚だけ。しかも、金を取り出すときに見えた奴の財布はパンパンに膨れ上がっていて、中には50万ドン札がぎっしり詰まっていた。少なく見積もっても2、3千万ドンかあるいはそれ以上の札束で溢れていた。たぶんそうやって客が持ち込んだ金を店を通さずに裏で売買して稼いでいるんだろう。もし、2枚の金貨が22Kで枠が18Kだとしても、奴にもたいした儲けはないんじゃないかと思うが、どうなんだろう。まぁそれで10万ドン、20万ドンでも稼ぐことができれば御の字なのか。推測するに純度70%というのはもちろん、8.63Chiという重さも嘘なんじゃないかと思う。裏で計算して求めた総額より少し少なめに設定した金額に辻褄を合わせるための計算式なのではないかと考えている。
 そこまで言うなら、何で他の店に行かないのかと言われそうである。確かにそうなんだけど、やっぱりめんどくさいしこの金額でよかったから。

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 田中貴金属の4月5日時点の税込小売価格は1,600円、税込買取価格は1,538円だった。

【参考】
2005年4月5日金価格(単位:ドン/chi)
SJC 買い/売り
ハノイ 820,000/830,000(-3,000)
ホーチミン市 820,000/826,000(-4,000)
ダナン 821,000/828,000(-3,000)
カントー 821,000/827,000(-4,000)
AAA(Agribank) 買い/売り
北部 818,000/830,000(-2,000)
南部 820,000/824,000(-5,000)
��ダナン以南)
同日ベトコムバンク外国為替
現金買い/電信買い/売り
米ドル 15,824/15,831/15,831
日本円 145.33/145.48/146.79
ユーロ 20,209/20,229/20,411
田中貴金属工業株式会社│本日の貴金属相場
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