2010/07/29

月収超える幼稚園の月謝

NNA29日】幼稚園など就学前教育の費用が急騰している。親はより質の高い教育をわが子にという思いと同時に、幼稚園の絶対数不足がある。割高な私立を選択するケースが少なくなく、月収を超える例も珍しくない。ベトナムネットが報じた。
クアンさんは双子の娘をハノイ市の新都市ミーディン地区の私立幼稚園に通わせており、毎月2人分の学費として500万ドン(265米ドル)を支出。これは妻ニュンさんの月収に相当する額だ。クアンさんとニュンさんの月収は計1,400万ドンで、この半分近くが娘たちの教育費となる。さらに残りの半分ほどは生活費に消えてしまうため、貯蓄できない状況となっている。もともと娘たちは公立の幼稚園に通っていたものの、1クラス当たりの子供の数が65人にも上るなど、教育の質に疑問があったという。このため私立を選択し直したのだが、その費用は家計を大きく圧迫している状況だ。フオンさん一家もまた、月700万ドンに上る娘の教育費に頭を悩ませている。学費が月に70万ドンほどの幼稚園もあったものの、教育の質などに満足できず、結果的に私立の幼稚園を選択することになった。
■園不足、突然の値上げも
同市ハイバーチュン区在住のタインさんも、子供への手厚い対応が期待できると助言されたことを受け、娘を私立幼稚園に入れることを決意した1人だ。ただ、クアンさんやフオンさんと同様、学費は頭の痛い問題となっている。娘が通う私立幼稚園はもともと費用が月に190万ドンと設定されていた。だが、70万ドンの入園費用を支払い、娘を入園させてから3カ月経ったある日、園側から40万ドン分の値上げを告げる電子メールが届いたという。突然の値上げに、タインさんは「子供をもう1人産むことはできなくなった」と悲鳴を上げる。この背景としては、教育の質の問題に加え、公立の就学前教育機関の全体的な不足も大きい。
 ハノイ市教育訓練局によれば、公立の就学前教育機関の子供の数は急増しており、希望者の3分の1しか入園できない状況だ。こうした中、私立幼稚園が受け皿となっているものの、費用も含めその運営体制について当局が介入することは難しいという。
 出生率が高すぎて追いつかないということもあると思いますが、ベトナム人の教育熱の高さに因るところが多いと思います。また、教育制度の弊害のしわ寄せの末端と見ることもできます。ベトナムでは小学校から進級や卒業に厳格な成績制度が設けられています。普通にやっていればまぁ進級できないことはないでしょうけど、それでも、息さえしていれば次に進める日本とは明らかに違うことは確かです。しかも、ベトナムでは義務教育では住居登録地以外での進学が原則として認められていません。親戚がいるからそこに下宿してとか、良い学校に行きたいから隣町や都会に出てとか、そういった類のことは共産党関係者かよほどの袖の下でもない限り無理なのです。引っ越して手続きすればすぐに通える日本とは大きな違いです。そもそも、共産主義化の今日のベトナムでは自由に引っ越しすることさえ制限されています。さすがに大学は自由ですが、高校までは少し厄介なのです。そんなこともあって身近な学校教育でも競争が過熱しています。

 学区内で進学するにしても小さいころから競争は激しいものがあります。その競争は小学校入学時からもう始まっているのです。文字の読み書きや簡単な計算などはすでに身に付けてくる子供が多いと聞きます。少しでもいい学校に進学させたいと思うのは変わらぬ親の思いです。ただ、そこにも問題がないわけではありません。学校の授業は適当でちゃんとした授業は教師が自宅で開催する私塾で行われているという話もよく問題になっています。学校で我が子に目をかけてもらうために金品を贈るのも日常の出来事です。どちらも好ましいことではないのは明らかですが、教員の給与が低すぎることも原因の一つとして指摘されています。
 話が逸れてしまいました。一クラスが65人というのは確かに異常とも思えます。でも、評価される教育機関がまだ少なく、そして学歴が将来の地位と報酬に影響する可能性がまだまだ高いベトナムでは、親が教育に熱を上げるのは仕方がないことかもしれません。
 日本では子供のころ頑張って塾に通ったり、高校までは成績がよかったのに大学は三流という人を山ほど見てきました。ただ、才能だけで希望する進路に進める恵まれた子供は一握りだと思いますので、バカはバカなりに努力しなければならないのはその通りだし、その可能性のためなら身銭を切ってしまうのは親の愛情の現れです。教育費の大半は無駄金だと思うのは私の持論ですが、我が子だけは違うと勘違いする親がいる限り、教育熱が冷めることはなく、ベトナムでも経済的に豊かになればなるほどその傾向は加速していくでしょう。

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