2006/03/03

日系企業でスト

asahi.com1日】ベトナム南部に展開する富士通など複数の現地日本企業で、賃上げを求める従業員による大規模なストライキが広がっていることが28日、分かった。日本貿易振興機構(JETRO)によると、同国の日本企業での大規模ストは初めて。中国での反日デモなどを契機に、生産拠点をベトナムに移す動きが強まっているだけに、今後の動向が注目される。
 28日現在でストが起きているのは、ホーチミン市に隣接するドンナイ省に進出する富士通や小型モーター世界最大手のマブチモーターなど少なくとも3社。マブチでは23日から、従業員約7000人のうち約2000人がストに入り、28日現在も生産ラインの大半が止まったままだという。富士通では、24日から従業員約2900人の大半が仕事を放棄し、プリント基板などの生産ラインが4日間全面停止。28日午後から徐々に再開しているという。いずれも労使交渉などを経ない違法なストとみられ、約300社が加盟するホーチミン日本商工会は、当局に「法にのっとった手続きを指導してほしい」と申し入れた。
 年末年始に今回と同じような場所で賃上げストがあり、結果として政府が安易に法律を改正して騒ぎを収拾したばかりでした。その時大方の日系企業は既に改正後の最低賃金を上回っていたために静観の構えを見せながら、何の知恵もない解決方法を取った政府に苦言を呈していたところです。で、今度はその高めの給料をもらってた労働者が暴動の模様。ある報道によると、ストに参加中のあるベトナム人は「他の企業が賃上げされたのに、賃上げがないのは不公平だ」とのたまってるとか。まったく全体を見ていないわけのわからんベトナム人的発想です。だからといってもともと高い給料もらってるからと説得してもベトナム人は受け入れないでしょう。というか本気でその論理を理解できないのではないかと思います。別にベトナム人が優秀だからどうのというのではなく(ベトナム人が無能だと言うつもりはありません。何人でも人材の能力は変わらないといっているだけです。)、低賃金だから外資が投資をしているということを一介の工員が分かるわけもないですけど、こんなことばかりで投資に水を差さぬよう、政府にはしっかりと対応してもらいたいものです。

 商工会によると、日本企業に対する中小規模ストは1月末から広がり、合計で十数件、1万人以上になる。反日感情はなく数日間で収束していたが、大企業に広がったのは今回初めてという。ベトナム政府は今年から、外国企業の地域ごとの最低賃金を月40ドルから55ドルに引き上げる予定だったが、昨年末に延期を決めたため、まず韓国、台湾企業で暴動まがいのストが発生。政府が2月からの引き上げを約束したため収まった。しかし、この引き上げで、元々60ドル以上を支払っていた日本企業の賃金の優位性が下がるため、今度は日本企業で働く労働者の不満が高まったようだ。日本企業は、中国で発生した反日デモや人民元高、電力不足などに対する懸念を強め、ベトナムなどに拠点を分散させている。今後のベトナムのストの動向次第では、再度、戦略の練り直しを迫られる可能性もある。
 5月で辞める奥田会長ですが、経団連会長としての最後の外国訪問でベトナムに来ました。だからといって特に感想もないですけど。そういえばトヨタも次期会長になる御手洗氏のキャノンも、ブランドとしても投資規模としてもベトナムでは存在感がありますので、今後も日本企業進出を存分に後押ししてくれることでしょう。
NIKKEI NET2月28日】日本経団連の奥田碩会長は28日、ハノイ市内でベトナムのフック計画投資相と会談し、日本からベトナムへの投資促進のため官民で合同会議を定期的に開催することで合意した。経団連はベトナムの経済改革を民間の立場から後押しする。合同会議はフック計画投資相の呼びかけに奥田会長が応じたもので、ベトナム政府と経団連が5月にも東京で開催する見通しだ。
 奥田会長はベトナム商工会議所のロック会頭とも会談し、地元経済界とベトナムに進出した日本企業で経済人会議を発足することでも合意した。共産党による一党独裁を堅持するベトナムは1980年代後半からドイモイ(刷新)と呼ばれる市場経済化、対外開放路線に転換し、急成長を遂げている。日本のベトナムへの投資実行額は累積で約47億ドルにのぼり、第1位。経団連はこうした会議を通じて近代的な金融市場の整備や透明な会計制度の導入、円滑な労使関係の確立などを要請していく構えだ。

2 件のコメント:

  1. ベトナムの市場経済移行はまだ日も浅く、地に着いた労使関係が根付いているとは思えません。であるからこそ、日系企業を含む外資系企業は、労使のコミュニケーションを十分に
    はかり、ILOの中核的労働基準を遵守する姿勢をとることが肝要でしょう。それが出来ないと、社会的企業責任(CSR)を逃れるためにやってきた単なる利益追求型の企業としてとらえられ、労使ウィン・ウインの関係を望む労働総同盟(VGCL)の反発をかうこと請け合いです。ストは別に異常でもなんでもなく、正常な労使関係のなかでも起こりうるものです。ただ労使関係の円熟しないうちは山猫スト的なものはより多く起こりうるでしょう。労使関係は鏡のようなもので、結局労使間の相互理解の状況がものを言うのでしょう。労組も世界の労組との連携を進め、国際基準について理解を深めつつあることを、企業も重視すべきだと
    いうことを感じました。(2006年6月下旬、HCMを訪問して。)

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  2. >>1 小島正剛 さん
    はじめまして。
    ご丁寧なコメントをいただきありがとうございました。
    小島さんのベトナムに対する愛が伝わりました。

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