2010/11/09

政府がドル売り介入

NNA8日】ベトナム政府は4日、国内の米ドル不足に伴う通貨ドンの下落を防ぐため「十分な規模のドル売り」を敢行すると発表した。来年2月のテト(旧正月)まではドン切り下げを実施しない方針で、ドル売り介入によりドン安圧力を抑制する。5日には突然、政策金利を1ポイント引き上げ8%から9%にすると発表。11カ月ぶりの引き上げで、経済拡大からインフレ抑制に転じる政府の姿勢がうかがえる。5日付ベトナムネットやダウトゥ電子版などが報じた。
 政府を代表した前・ベトナム国家銀行(中央銀行)総裁のレ・ドゥク・トゥイ国家金融監督評議会議長は4日、「強力な市場介入を行う」と語った。外貨準備の切り崩しについて、懸念材料はないという。ベトナムネットによれば、ベトナムの外貨準備高は現在、貿易輸入額の6~7週間分に相当するという。統計総局(GSO)は、10月の輸入額(推定値)を73億5,000万米ドルと発表している。
 介入してまで支えなければならないほどなので、次回の切り下げでは思い切った幅になるかもしれません。闇レートで既に2万1000ドン付近ということですし、インフレ率約10%の状況を考慮すると、4半期後のテト明けには一気に2万2000ドンを超える切り下げになるかもしれません。


■切り下げ圧力、断ち切れるか?
 政府がドル売り介入を行う理由の一つには、ドン切り下げの圧力を断ち切ることにある。政府は来年2月のテトまではドン切り下げを行わない方針を示しているが、非公式市場(闇市場)ではドンが対米ドルでこのところ急落。闇レートは1日、1米ドル当たり2万450ドン前後を付けていたが、先週はその後2万 1,000ドン辺りにまで下落した。中銀が定める公式レートでは下限が1米ドル=1万9,500ドンに設定されており、闇レートとの差が拡大を続け、ドン切り下げの圧力となっている。
 トゥイ議長はドンが下落している理由として、国内の米ドル需要拡大を挙げた。今年1~10月の輸入額は前年同期比で20.7%増加したが、貿易赤字は10月に昨年4月以降19カ月連続で計上。外貨不足が構造的に進む一方で、外貨決済に向けた業者の米ドル需要は増大し、米ドルが値を上げる構図が形成されている。
 こうしたなか貸付残高は米ドル建てで拡大。米ドル建てでは10月14日時点で前年同期に比べて52%増加したのに対し、ドン建てでは伸びが14.6%にとどまっている。トゥイ議長は、米ドル建て融資が拡大する理由として、外貨決済に向けた米ドル需要の増加だけでなく、ドン建てに比べ金利が低いことを挙げた。
■基準金利引き上げ
 トゥイ議長はドン切り下げを行わない方針について、インフレ懸念を挙げた。10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.66%上昇している。年初からのCPI上昇率はすでに7.58%。政府の今年通年の抑制目標8%以内の達成は厳しそうだ。
 昨年12月1日以来11カ月ぶりに、各種政策金利を1ポイント引き上げることも5日に発表され、即日実施された。10月27日には11月の基準金利は据え置くことが発表されていただけに、突然の発表だった。◇基準金利は年8.0%から9.0%◇中銀が商業銀行から有価証券を買い戻す際に適用される公定歩合(ディスカウントレート)は6.0%から7.0%◇中銀の対商銀貸し出しに使われる再割引金利(リファイナンスレート)は8.0%から9.0%──となる。
 トゥイ議長は、政策金利の引き上げにより、商銀のドン建て預金金利は年12~13%に、貸付金利は15~17%になり、やや上昇するだろうとコメントした。

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